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Vol.42 安齊 賢太さん

ページID:0004136 更新日:2021年12月2日更新 印刷ページ表示

個展に向けて器を制作する安齊賢太さんの画像
個展に向けて器を制作する安齊賢太さん

数年先まで個展の予定が埋まるほど、花器や食器の作品が高く評価されている安齊さんに、器に込める思いなどを伺いました。

インタビュー「圧力を与えられる作品を作っていきたい」

大学卒業後にサラリーマンとして働いていましたが、子どもの時から好きだった物を作ることを仕事にしたいと思い、陶芸を学ぶ専門学校に入学しました。
学校ではいろいろな知識を学びましたが、繊細な薄い器を作る技術は、今の私の作品に生かされています。また、世界の陶芸にも触れてみたいと考えイギリスに留学。そこで出会ったのは、伝統に囚われずに、自分の個性を活かした作品を生み出す作家たち。伝統文化が根強い日本とは違う考えが刺激になりました。
地元郡山に戻り、自分だから作れる器を意識して陶芸に向き合う中で、自分は「圧力を感じる作品」が好きだと気付きました。芸術作品だけでなく手作りの家具ひとつ見ても、魂を込められた作品は、目に飛び込んでくるような圧力を持っています。そういう作品を自分も目指したいと思うようになりました。
私の作る黒い器は、土の生地に漆を入れた糊剤を塗って磨く作業を何度も繰り返すことで、漆器にはない独特の質感に仕上げています。また、見た目の重厚感に反して、一般的な陶器より軽いのも特徴です。完成までに約1カ月かかるため、個展にも他の作家の半分程度の量しか持ち込めません。でも、その手間を惜しまずに熱意を込めることで、圧力を与えられる器にしたいと思っています。
陶芸は好きですが、仕事です。仕事だからこそ、陶芸の腕だけで生活をしていくために、必死で作品づくりに励んでいます。多くの人に器に込めた力を感じてもらえるよう、これからも技術を磨いていきたいですね。

NYや台湾など、海外でも評価の高い花器の画像
NYや台湾など、海外でも評価の高い花器

指先に神経を集中させて厚さを調整の画像

指先に意識を集中させて厚さを調整

(広報こおりやま2021年10月号より。内容は当時のもの)