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おもに「アフリカ稲作振興のための共同体(Coalition for African Rice Development:CARD)」支援対象国の農業普及員等を対象として、稲作栽培技術、普及に関する能力・知識向上や対象農村地域のニーズに即したアクションプランの作成を目的とするJICA筑波センター課題別研修が郡山市で行われ、9ヵ国から10名の研修員が参加し、日本遺産に認定されている安積疏水関連施設や農業関連施設等を視察しました。
熱海町の梨農家とふれあいを行い、実際に畑に出て、梨の栽培について説明を受けました。
梨畑は木に網をかけており、網の天井が低いため、頭を屈めて移動するようアドバイスを受け、説明が一通り終わると、実際に袋掛けの作業を体験しました。
研修員からは、どれくらいの収穫量があるのか、などの質問がありました。
その後、JA福島さくら梨共同選果場へと移動し、選果場の概要について説明を受けました。
選果場では、収穫時期ではないため実際の稼働はありませんでしたが、一連の梱包作業を行う過程を、実際に機械を視察しながら説明を受けました。研修員からはパッケージに係る経費や主な販売先などについて質問がありました。
午後は、熱海町の稲作農家との交流を行い、稲作についての経営の概要、種苗から田植え・収穫に至るまでの一連の作業について説明を受けました。
その後圃場へと移動し、草刈り作業などの実演が行われました。畦道の形態によって草刈り機を使い分けていることなどが紹介されました。
1日目最後には、JA福島さくら農産物直売施設 あぐりあに移動し、直売所の概要や農家との関わり方について説明を受けました。
研修員からは、直売所に登録している農家がどの程度いるのか、手数料はどれくらいか、などといった質問がありました。
JA福島さくらのWebサイト<外部リンク>
安積疏水土地改良区事務所で安積疏水の歴史や仕組み等について説明を受けました。その後、水管理センターで自動運転を行う計器類を見学しました。
研修員は、「管理センターはあくまでメインの幹線の情報把握をしており、最前線の支線の管理については、水路看護人が重要な役割を果たしている」との説明に聞き入っていました。
その後、上戸頭首工及び田子沼分水工を視察しました。
上戸頭首工では、稲作には温かい水が適していることから、取水口を扇型にして太陽の光で温める仕組みについて説明を受けました。
田子沼分水工では、地下20mまで階段を100段下がり、毎秒12.5tの水が流れる様子を視察しました。
安積疏水土地改良区のWebサイト<外部リンク>
2日目の午後には、稲作農家から、主に経営の面からみた稲作農家の実態について説明を受けました。
また、稲作の農閑期でのプラスアルファとして野菜のブランド化に取り組んできたことの紹介がありました。研修員の母国は総じてこれから生産拡大が求められるため、基盤整備の実施・品種の選定を工夫するなど、方法次第でかなりの可能性がある、との話がありました。
郡山市報道資料(JICA筑波センター研修員による郡山市視察研修について) [PDFファイル/690KB]