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【博物館準備室コラム最終回】~開館直前に寄せて~

ページID:0137973 更新日:2025年3月14日更新 印刷ページ表示

 歴史情報博物館準備室長の嶋根です。

 新しい「歴史情報博物館」の開館が、いよいよ目前に迫りました。これまで半年間にわたり、準備室のスタッフ全員がそれぞれの立場から、博物館の魅力や準備の裏側についてお伝えしてまいりました。このコラムをご覧いただいた皆さまには、博物館の歩みをともに見守っていただき、心より感謝申し上げます。そして、最後となる今回、準備室長の立場からこれまでの振り返りとともに、皆さまへのメッセージをお届けしたいと思います。

 半年間の準備期間は、まさに挑戦の連続でした。一つひとつの展示資料が物語る歴史の重み、その資料をどう伝えるべきかを巡る議論、限られた時間の中で生み出す新しいアイデア。準備室のメンバー全員が、それぞれの専門性や個性を発揮し、知恵を絞り、情熱を注いでくれたことで、博物館の「かたち」が明確になっていきました。

オープンスペース

<オープンスペース>

 展示設計を担当したスタッフは、貴重な資料を魅力的に見せる工夫を追求しました。「ただ見るだけ」ではなく、「五感で楽しめる展示」を目指し、何度も試作を重ねたことを覚えています。一方、学芸員たちは地域の方々と一緒に資料の価値を見出し、背景にあるストーリーを掘り下げました。その姿勢は、私たち自身が学ぶことの大切さを改めて気づかせてくれるものでした。

 また、IT技術を担当するメンバーが進めてくれたデジタル化の取り組みも重要な柱でした。これまで紙資料や写真として保管されていた地域の記録が、インターネットを通じて広く共有されるようになり、博物館が「情報の発信拠点」としての役割を果たせるようになります。歴史が単なる過去のものではなく、今と未来をつなぐ「資産」として活用できる準備が整いました。

 もちろん、課題も少なくありませんでした。特に開館までのスケジュールは厳しく、完成を目指して連日奮闘する日々が続きました。それでも、各スタッフが自分の役割を果たし、困難に直面してもお互いに支え合う姿勢を貫いたことで、最後までやり遂げることができました。私にとって、準備室のメンバー全員が「最高のチーム」だったと心から思います。

交通と交流のギャラリー

<交通と交流のギャラリー>

 これからの博物館には、地域の方々や訪れるすべての方々が歴史に触れ、新たな発見や学びを得る場として、成長を続けることが求められます。そして、それを支えるのは、皆さまとのつながりです。博物館は決して一方的に情報を提供するだけの場ではありません。地域の記憶を共有し、新しい視点を育む「交流の場」でありたいと願っています。

 開館当日はもちろん、その先も、博物館は皆さまにとって「もう一度訪れたい」と思える存在であり続けるよう、さらなる努力を重ねてまいります。準備室での役割を終える日が近づいていますが、ここで培った経験を糧に、新しい歴史を紡ぐ一助となれれば幸いです。

 これまで応援してくださったすべての方々に感謝を込めて。そして、もうすぐ皆さまとお会いできる日を楽しみにしております。ぜひ、新たな「歴史情報博物館」に足をお運びください。

常設展示室

<常設展示室>