本文
花火のように、美しく― 山下清は、1922(大正11)年、東京に生まれました。3歳の時の病気で軽い障がいが残った彼は、12歳の時千葉の養護施設「八幡学園」に入園し、「ちぎり絵」に出合います。初めは小さな虫、可憐な花を描き、やがてその目は豊かな風景をとらえていきました。そして18歳の時学園を飛び出し、32歳まで日本各地を放浪し、たまに学園に戻っては日記を書き、貼絵を制作しました。アメリカの「ライフ誌」にもその才能が紹介され、全国的に有名になった山下は玉のような作品を指先から紡ぎ続け、「東海道五十三次」制作に専念していた1971(昭和46)年、49歳でこの世を去りました。
山下の絵は、驚異的な記憶力によって、眼に映るもの一つ一つがこつこつと形づくられ、独特の明るさと温かさに満ちています。ただ無心に、純粋に描きつづけた素朴さを伝え、今なお多くの人の心をとらえて離しません。この展覧会では、修復を経て蘇った貼絵の名作をはじめとして、素描、水彩、油彩、陶器の絵付など約140点により、山下清の画業の全貌を一堂に展観します。
会期 | 2006(平成18)年7月15日(土曜日)~8月20日(日曜日) |
開館時間 | 午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 毎週月曜日(ただし17日の海の日は開館、翌18日は休館) |
主催 | 郡山市立美術館 |
協力 | 山下清作品管理事務局 |