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#14 子どもの成長は遊びから。ペップキッズこおりやまのプレイリーダーの思い

3 すべての人に健康と福祉を17 パートナーシップで目標を達成しよう
ページID:0108328 更新日:2024年4月11日更新 印刷ページ表示

ペップキッズこおりやま

 

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カラフルで楽しい遊具がたくさん並ぶ、まるで遊園地のような空間。それが、東北最大級の屋内遊び場であるペップキッズこおりやま(以下、ペップキッズ)です。ここに、遊ぶことによる子どもの心身の成長をサポートしてくれる「プレイリーダー」というスタッフがいるのをご存じでしょうか?今回は、プレイリーダーがどのように子どもたちと向き合っているのか、その思いを聞いてきました。

 

ペップキッズで得られる3つの力とは?

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ペップキッズは東日本大震災後の外遊びが難しかった2011年12月に、安心して子どもを遊ばせられる遊び場としてオープンしました。登れるサイズの積み木やボールプール、飛び跳ねられるエアー遊具や走り回れるランニングコース、知育玩具など、たくさんの遊具であふれています。
1クール1時間15分の4クール制で、特に休日は各クール250人の定員がほとんど埋まってしまうほどの人気ぶり。オープンから13年が経ち、子どもの頃にペップキッズで遊んだ経験のある親が、子どもを連れてくることも増えてきたそうです。

 

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取材にうかがった平日14時からの回は、よちよち歩きの子、幼稚園終わりらしき制服姿の子など、それぞれ興味のままに楽しむ子どもたちの姿が見られます。子どもに混ざって遊んでいるのが、緑のシャツが目印のプレイリーダーです。

 

「子どもは遊びを通して心身の発達や成長に大切な力を獲得していきます。それをサポートするのが、私たちの仕事です」。この日場内にいたプレイリーダーの一人、遠藤麻由美さんはそう話します。ペップキッズでの遊びで身に付けられる力とは、どんなものなのでしょうか。

 

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「大きく3つあります。1つ目は思い切り体を動かすことで、体力がついたり、体の使い方を学んだりして運動神経が向上すること。2つ目は社会性です。ここには未就学児から小学生までいろんな子が来ますので、一緒に集団遊びをすることで自然とコミュニケーションが学べます。また、親や家族以外の大人である私たちプレイリーダーと接することも大きいですね。

 

3つ目が、意欲です。自分でやりたいことを見つけられるようになったり、上手になりたいからと工夫したり、練習する向上心は、気持ちの持久力を養います。それは、生きていくうえで問題にぶつかった時に、心が折れた時に立ち上がって乗り越えられる力になります。」

 

プレイリーダーは元保育士や、教員免許を持っている方などさまざま。普段から、子どもとのコミュニケーションや、遊具を使った遊びのバリエーションなどを学んでいます。ただ遊んでくれるお兄さん・お姉さんなのではなく、「遊ぶことで養える力」を理解し、遊ぶことへの意欲や向上心を引き出していくプロなのです。

 

遊びで成長できるきっかけをつくる

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遊び場がオープンすると、プレイリーダーは子どもたちを遊びに誘ったり、新しい遊び方を提案したりと、子どもの興味や関心を見極めながら、遊びのきっかけづくりを始めます。

 

例えば、初めて来場して遊びの輪になかなか入れない子がいたとします。まずは、その子が見ている遊具やほかの子どもの様子を見て、何がしたいのかを読み取り、声かけをします。

 

「混ざりたそうにしているように見えても、見ていること自体を楽しんでいることもあるんです。まずは話を聞いて、もし混ざりたいのであれば、どんな言葉がけをしたらそこに入っていけるかを考えて、自然に遊びに入っていけるように誘導します。」

 

子ども自身がどうしたいかわからないような場合は、プレイリーダーがみんなと楽しく遊んでいる姿を見てもらうのだそう。

 

「無理にやらせるのではなく、言葉と身体でコミュニケーションを取って、遊びに誘い込んでいく。その方法はお子さんによって違います。そして、あれをやってみたい、このプレイリーダーと一緒に遊びたい、という気持ちを上げていきます。
遊びの中で何かうまくいかないことがあったら、仲介したり、見守ったり。状況によって対応は変わりますが、『次はこうしてみよう』と考えてもらえるようなサポートを意識しています。」

 

どんな親子も、安心できる場所に

 

発達がゆっくりなお子さんやその家族にも、安心して利用してもらいたい」と話す遠藤さん。幼稚園や学校に行きづらくても、ここなら足が向く、という子もいるのだそう。「目が合わなかったお子さんの目が合うようになったり、なかなか私たちに触れてくれなかったお子さんが触れてくれるようになったり。そうした変化は本当にうれしいです。

 

とはいえ、子どもを連れてくるのは保護者です。プレイリーダーがもう一つ気に掛けていることは、保護者に安心してもらえるかどうか。子どもが遊んでいる中でどんなことが起きているのか共有したり、子育ての大変なことを聞いたりと、保護者とのコミュニケーションも大切にしています。

 

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子どもは初めての場所で“場所見知り”をしますが、親御さん自身も緊張しているかもしれません。初めての方は首から下げるホルダーの色を変えていて、なるべくお声がけするようにしています。ちょっとずつ慣れて、だんだんと安心できる場になっていってほしいですね。

 

この日、2歳の女の子と来ていたお母さんは、1年半前に旦那さんの転勤で関西地方から郡山市に引っ越してきたといいます。「まだ幼稚園に入っていないので知り合いが少なく、名前を覚えてもらえてうれしいです。この先の子育ての話を聞けるのも貴重でありがたいですね」と話します。
はじめはお母さんと手をつないでいないとだめだったお子さんも、今ではお母さんを置いてプレイリーダーと遊びに行けるようになったそうで、そんな様子からもお子さんの成長を感じているそうです。

 

安心していろんなことを経験させて

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プレイリーダーの仕事を「天職」と話す遠藤さん。飲食関係の仕事をした後、子どもと関わる仕事がしたくて、5年前からプレイリーダーとして働いています。

 

何かをできるようになったりとか、できなかったりとか、子どもにとっての貴重な経験を隣で見ることができて、サポートできて、成長を感じられることが何よりのやりがいです。子どもにとっては親とはまた違った、成長に必要な存在なんじゃないかな。

 

災害や感染症、景気の良しあしなど、生活環境の変化は子育てにも大きく影響します。しかし、時代が変わっても子どもが成長するために必要な経験は変わりません。プレイリーダーのみなさんは、時代の変化を汲みながら子どもの成長のためにできることを探っています。

 

人との距離の変化が影響しているのか、昔は『子どもがケガをするのも勉強』という感覚を持っている人が多かったかもしれませんが、今はなるべく安全に遊ばせることが先行していると強く感じますね。本当は失敗しながら学ぶことが大事なのに、親が手取り足取り教えてあげちゃうことも多いんです。
だからこそ、保護者様には子どもが自分で考えてやることに意味があるということを伝えていきたい。応援してあげてほしいです。ここでは安心していろんなことを経験させられると思ってもらえたら良いですね。

 

ペップキッズは今や、郡山市の子育て世帯にとって欠かせない施設です。家族や先生とは違った視点で子どもを見守るプレイリーダーもまた、陰ながら子どもたちの健やかな成長を支える存在になっています。

 


郡山市元気な遊びのひろば ペップキッズこおりやま<外部リンク>

所在地:郡山市横塚1丁目1-3
TEL:024-953-5232(10:00~18:00)
利用時間:10:00~、12:00~、14:00~、16:00~の各1時間15分
休館日:毎月第3水曜とその翌日


<動画>ショートムービーをご覧ください。

2024年4月11日公開

Photo,Movie by 杉山毅登(佐久間正人写真事務所<外部リンク>
Text by 五十嵐秋音(マデニヤル<外部リンク>
Interview by 片倉菜々(マデニヤル<外部リンク>