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#18 さんごカフェは出産前後の「あったらいいな」を形にした、ママとパパが頼れる場所

3 すべての人に健康と福祉を17 パートナーシップで目標を達成しよう
ページID:0137108 更新日:2025年3月10日更新 印刷ページ表示

しゅふコミ 横尾恵美さん

 

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ある日の開成山公園の多目的スペース。大きな窓がある開放的な空間で、1歳に満たない赤ちゃん5人とママ・パパが、わらべ歌に合わせて遊んだり、ベビーマッサージをしたりと、和やかな時間が流れています。近くで遊んでいた子どもたちも楽しそうな様子が気になるのか、ガラス越しに近づいてきます。

 

この日開かれていたのは、「さんごカフェ」。子どもが生まれて1年以内の夫婦が子どもとの接し方を学び、産後の骨盤ケアのヒントをもらえる集いの場です。郡山市で子育てに関する情報発信を行っている「しゅふコミ」が、2024年の夏から開いています。

 

子育ての悩みを軽くする入り口に

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13年子育てをしている中で、友達やママ友と『こういう場所がほしいね』『こういうのないのかな』って言い合っていたものを、形にしているようなかんじです

 

そう話すのは、しゅふコミ代表の横尾恵美さん。ご自身も10歳と13歳の子どもがいるお母さんです。

 

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「私もそうでしたが、生まれて2,3ヵ月は特にいろんな悩みが出てくる時期です。子育て中の孤独や不安を軽くする心のケアも必要ですし、出産により骨盤がゆがんでさまざまな不調が出たり、体型が戻りにくいのもこの時期特有の悩み。これからどんどん体重が増える子どもを育てられる身体に整えるために、骨盤を直接見てもらえる機会にもしています

 

しゅふコミが2022年から運営しているイベントの一つが、出産前の夫婦が集まる「にんぷカフェ」です。これからの子育てに不安を感じている人が多く足を運んでいます。出産した「にんぷカフェ」参加者と再会できる機会をつくりたいと始めたのが、さんごカフェなのだそう。

 

産後ってあんまりお出かけする機会がないので、赤ちゃんとの初めてのお出かけとして来てくれるご夫婦もいるんです。私たちや、にんぷカフェで会った方の顔をまた見られて安心したとか、他のパパ・ママや赤ちゃんに会えて心が晴れたと言ってくださる方は多いです。ここで初めてのパパ友に出会えたという方もいます

 

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「話を直接聞けると、納得できる」

 

横尾さんは東日本大震災直後に長男を出産。混乱する世の中でコミュニティは限られ、産後は孤独だったと振り返ります。

 

「子育ての悩みを誰に聞けばいいのかが本当に分からず、不安でした。そして、コミュニティの大事さに気づいて、一人で子育てをするなんて無理だということを痛感しました。子育てで困ったときに、気軽に相談しに行ける場所を作りたいと思い、こうした場を運営しています。

 

いまは夫婦で子育てを頑張っている方がすごく多いです。でも、パパとママだけではできないのが子育て。二人で頑張ると決めつけず、ほかにもたくさん頼れる人を作ってもらいたい。その一つが、しゅふコミでありたいと思うんです。2024年には「しゅふコミ子育て専門店」というショップもオープンしました。ママ友のおうちにちょっと遊びに行くような感覚で気軽に私たちとつながってほしいです」

 

さんごカフェ運営に携わる保育士、看護師、理学療法士のみなさんも、こうした横尾さんの思いに共感しています。ふだんは小児科で勤務している看護師の合津裕子さんは骨盤ストレッチを教え、理学療法士の安藤由香理さんは折りたたみベッドを持ち込みママの骨盤をチェックします。

 

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保育士の畠山よしえさんは、子どもとの接し方やベビーマッサージ、わらべ歌などの遊びを紹介。パパの前に、同じ前向きに座らせたとたん泣き始める赤ちゃんには、「パパとママ、うしろにいるよ」と声をかけたり、理学療法士の施術を受けるママを待つお子さんをあやしたり。畠山さんには、まだ自分の意思を言葉で伝えられない赤ちゃんが、どうして泣いているのか、どんな遊びが好きなのかが分かってしまうようです。

 

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「イヤイヤ期はいつかくるものですが、しつけと甘えさせることは違うんです。お子さんのことを認めているということを伝えてあげることが大切」と畠山さん。成長の先に直面するであろう悩みにも、心の準備ができそう。

 

この日、3ヵ月のお子さんを連れて初めて参加した30代のママに話を聞いてみました。

 

「子どもが小さいと、家にこもりがちになってしまいます。今日は家族以外の大人とたくさん話せて気分転換になりました。育児のことはついネットで調べてしまいますが、一方的な情報で疑問に思うことも多いんです。直接話を聞けると納得感があります。いろんな人の意見を聞けたのも良かったです」

 

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一人でも多くの人に足を運んでもらうために、心配ごとはなくしたい。会場選びにも、その思いは宿っています。たとえば、赤ちゃん連れの移動は荷物が増えるので、会場は駐車場が近くて移動がしやすく、近くに授乳室がある場所を選んでいます。おむつ替えのスペースも用意していて、産後の予定をたてやすいようにと1年ぶんの開催予定を公開しています。

 

「カフェではとにかく短時間で必要なことを伝えることを心がけています。子どもが集中して遊べる時間ってすごく短いし、お母さんもお子さんに気を取られちゃう。お子さんやママの体調も気遣いながら、もっと話したい方は残って、しっかりお話できる時間も取るようにしています

 

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しゅふコミには、インスタグラムのダイレクトメッセージで相談が寄せられることもあるのだとか。多くの子育て世帯のよりどころとなっているようです。

 

少子化の時代ではありますが、子どもは絶対にいなくならないし、私たちの活動のニーズがなくなることはないと思っています。子どもが生まれて育っていく過程は普遍的で、どんどん新しい問題が出てくることってないはず。だから、とにかく続けていくことが我々の使命です。続けていくためには、私たちも無理をしないことが何より大事。疲れている人が誰かのサポートをするなんて、絶対無理ですから

 

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子育てには不安がつきもの。特に、生まれてすぐは無理をしてしまいがちなママ・パパは多いのではないでしょうか。人を頼ることで、目の前が明るくなることもあるでしょう。これから出産を控えていたり、妊活中の人はぜひ足を運んでほしいですし、身近にそういう人がいたら、声をかけてあげてみてください。

 

*横尾さんが健康のために意識していることは?

 

二人のお子さんを育てながら、コミュニティを運営し、小学校のPTA会長も務められているという横尾さん。パワーの源は何なのでしょう?

 

よく寝ることです。子どもと一緒に21時に寝て、7時に起きる生活を心がけています。子どもも親が側にいて安心するのかよく眠れるようだし、精神的にも体力的にもいいことばかり。以前は子どもが寝ている夜中にパソコン作業をしていましたが、5年前ぐらいからは割り切って、夜ごはんの片付けもしないまま寝て、朝いっぺんにやるようになりました(笑)

 

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しゅふコミ~福島県に住むママみんなで作るコミュニティサイト<外部リンク>


<動画>ショートムービーをご覧ください。

2025年3月10日公開

Photo by 佐久間正人(佐久間正人写真事務所<外部リンク>
Movie by 杉山毅登(佐久間正人写真事務所<外部リンク>
Text by 五十嵐秋音(マデニヤル<外部リンク>