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今知ってほしい性感染症について
性感染症はどうやってうつる?
性感染症は性交渉(セックス)によって人から人へと感染する病気<外部リンク>のことをいいます。
性的接触によって病原体に感染した血液や精液・膣分泌液を介し皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して感染します。また、オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)でも感染する可能性があります。
たった一度の性交渉でうつることもあります。
具体的にどんな病気のこと?
具体的には、エイズ、梅毒、性器クラミジア感染症、性器ヘルペス、淋菌感染症などをいいます。病気によって症状は様々で、感染部位の痛みやかゆみ、排尿痛、おりものの異常から、自覚症状のないものもあります。
梅毒
梅毒はここ数年非常に増加している感染症です。性器や口、咽頭など感染部位にできものができたり、手のひらや足の裏や身体に痛みのない発疹ができます。症状が出ても、一旦消えてしまうため、治ったと思ってしまう人もいますが、自然治癒はしません。
梅毒に感染して未治療のまま妊娠すると子宮内の胎児に梅毒が感染することがあります(先天梅毒)<外部リンク>。
性器にできものや、治らない口内炎や咽頭炎、発疹などがある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
クラミジア
性器クラミジア感染症は、性感染症の中でも感染力が強く、今も増加しています。無症状の場合が多いため、きがつかずにパートナーにうつす、うつされる状態を繰り返してしまいます。性器のみでなく咽頭や目、肺にも感染する場合があります。
男性:排尿時の違和感(かゆみ、ムズムズ、軽い痛み)、尿道から膿が出る。
女性:おりものが増える、不正出血、性交痛、症状が軽く無症状のことが多い。
妊婦が感染していると、産道感染により新生児に結膜炎や肺炎を起こすことがあります。また、女性の場合は治療せずに放置してしまうと、子宮外妊娠や不妊症につながるリスクがあります。
HIV/エイズ
HIVに感染すると、2~4週間後に風邪に似た症状が出ることがありますが、体内の免疫応答により数週間で消失します。その後、無症候期に入り、数か月~10年以上続く方もいます。また、感染後短期間でエイズを発症する方もいます。
HIVはコップの回しのみやトイレの共用など日常生活ではうつることはありません。また、治療薬の進歩によりU=U<外部リンク>といって「適切な治療を受けていれば、性交渉を通じてHIV感染させることは一切ない」ということまでわかっています。内服を継続することで天寿を全うすることができます。
検査や相談についてはHIV検査相談マップ<外部リンク>も参照ください。
性感染症って自分にはあまり関係ない?
性感染症は性交渉の経験があれば、誰でも感染する可能性がある病気です。
1人の相手との性交渉でも、相手が感染していれば、自分に感染する可能性があります。
性感染症を治療しないと、種類によっては不妊の原因となったり、神経や心臓などに深刻な合併症や後遺症をのこすこともあります。また、粘膜が傷つくことによりHIVや他の性感染症に感染しやすくなります。
また、性暴力<外部リンク>などに直面する可能性も男女共にゼロではありません。自分の体を守るために知識を正しく持ちましょう。
心配な時はどうしたらいいですか?
医療機関(男性は泌尿器科や皮膚科、女性は産婦人科や皮膚科)を受診しましょう。
また、保健所では性感染症に関する電話相談・無料匿名検査を行っています。不安な時には相談をしてみましょう。
性感染症を予防するためにはどうしたらよいですか?
全ての性感染症を100%防ぐことはできませんが、コンドームの正しい使用が有効です。
A型肝炎、B型肝炎に対してはワクチン接種が有効です。
コンドームの正しい使い方
毎回使用期限を確認しましょう。また、射精時のみつけることも意味はありません。
(1)毎回新しいコンドームを使用する(ペニスを膣や肛門に挿入する時だけでなく、オーラルセックスなども)
(2)ワセリンやオイルの潤滑剤は使用しない(コンドームを痛めます)
(3)爪や歯などで傷をつけない(破ける原因になります)
(4)ペニスが勃起した状態で、挿入する前に装着する (精液だめの空気を完全に抜き、根本までしっかりと)
(5)抜くときは陰茎がまだ勃起している間に
参考:知っておきたい性感染症の正しい知識<外部リンク>(厚生労働省)
関連リンク
- 性と感染症のシンジョーシキ<外部リンク>
- 性感染症のすべてが簡単にわかる本<外部リンク>
- 性的同意基礎編(厚生労働省<外部リンク>)「同意」についてがわかりやすい動画です
- 性感染症のページ(厚生労働省)<外部リンク>
- オーラルセックスによる性感染症に関するQ&A<外部リンク>
- HIV・梅毒迅速(即日)検査について
- 性犯罪・性暴力とは(男女共同参画局<外部リンク>)
- 生命の安全教育(文部科学省)<外部リンク>大切な心とからだを守るための動画があります