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【博物館準備室コラムVol.3】~博物館の設備~

ページID:0126989 更新日:2024年11月15日更新 印刷ページ表示

 皆様、こんにちは。私は、博物館の設備工事を担当しました郡山市歴史情報博物館準備室の松平と言います。

 今回、博物館の建設に当たり、特に気を遣ったのは、収蔵される歴史ある書物や土器などを保護するための設備です。

 その中でも重要なのは、空調です。

 通常、温度管理だけを行うエアコンが多い中、湿度の調整も可能であり、部屋ごとに温度及び湿度を遠隔で自動制御できる特殊な機器を採用しています。

空調機器画像

<郡山市歴史情報博物館の空調機器>

 博物館に収蔵される多くの文化財は、環境が悪いと、日が経つにつれ劣化が進み、場合によっては損傷してしまうので、文化庁が重要な文化財を保管するために必要な環境として取扱い要項を定めており、その内容は、展示物を入れるケース内は、摂氏22度±1度(温度)、相対湿度55%±5%(湿度)となっています。郡山市の歴史を物語る大切な文化財を保護し、いつまでも変わらず皆様に展示物を見学していただき、受け継いでいくためにも、24時間365日、室内の温湿度を一定に保ちます。

 建築の構造的にも、収蔵庫(文化財を保管する部屋)は、外気の影響を受けにくいよう2重壁になっており、部屋だけでなく壁の中も空調設備により温度調整しています。

 また、収蔵庫の管理方法として、施錠には博物館専用の非接触式カードを使用しています。

 そのカードは個人ごとに設定が可能で、関係者であっても重要な文化財にむやみに触れないよう権限の強い職員しか入れない設定にすることもできます。入室を禁止する時間帯設定もできます。

 消火設備も通常の建物は水による消火が多いのですが、人の出入りの少ない収蔵庫などは、文化財の損傷が最小限で済む窒素ガスを採用しています。

太陽光パネル

<郡山市歴史情報博物館の太陽光発電設備>

 次に説明したいのは、太陽光発電設備です。屋根の南側のスペースに太陽光パネルを設置しており、自然エネルギーである太陽光を電気に変換して博物館内で使用します。

 太陽光パネルは38枚あり、約15㎾の発電容量です。これは、一般家庭の約3倍の発電容量となっています。万が一停電したとしても、太陽が出ていれば太陽光の電気が使えます。

 なお、博物館には蓄電池もあるため、最低限の照明やコンセントを使用することができます。

 その他の設備としては、博物館の入口天井に付いているカメラは、防犯目的だけでなく、赤外線センサーにより、出入りした人数のカウントができるものを採用しています。来場者数データは、パソコン管理により年、月、日ごとの集計を抽出可能で、運営上の参考とすることができます。

 以上、設備は多種多様ありますので、まだまだ紹介できるものは多いのですが、今回は代表的な設備についてのみお話しさせて頂きました。

 皆様、ぜひ郡山市の博物館にお越し頂き、楽しんでいってくださいね。