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Vol.126 郡山女子大学短期大学部
震災の記憶を伝え、伝統文化を継承する「復興の灯火プロジェクト」に取り組む同短期大学部。地域創成学科の小松太志准教授と2年生の佐藤徳子さん(後列右端)に思いを伺いました。
活動のきっかけは?
もともと中田町の海老根伝統手漉和紙の保存活動に参加していて、2019年に市が開催した復興祈念イベントに、海老根和紙を使った灯ろうを展示しました。若い世代が地域や復興について考える機会を今後も持ち続けたいと思い、2020年から本学が中心となり取り組んでいます。
どのような活動ですか?
3月11日に郡山駅西口駅前広場で、震災の犠牲者を追悼する灯ろうを展示します。市内の小・中学生、高校生などが絵付けした約400個の灯ろうには、思い思いの絵や言葉が書かれています。
復興支援団体の協力を得て復興公営住宅でワークショップを開き、住民の方と一緒に絵付けをすることもあります。おしゃべりしながら好きな絵を描き、完成すると自然と笑顔がこぼれます。
追悼や復興を意識するのは大切ですが、純粋に楽しく作品を作ることが、地域の伝統に触れたり、復興を考えたりするきっかけになればと思います。
活動のやりがいは?
会場に並んだたくさんの灯ろうを見て、こんなに多くの方が復興を願う同じ思いを持っていることに感動しました。
また、ワークショップは、学生たちがあまり接する機会のない高齢の方と触れ合うことができる、とても楽しいひと時です。参加した方が、「来年はもっとうまく描きたい」「次はこんな風に作ろうかな」と楽しみにしてくれているのも、うれしいですね。このつながりを大切にしていきたいです。
「どんなデザインにしよう?」会話が弾むワークショップ
それぞれの復興への思いが書かれた灯ろうが並ぶ
今後は?
いまだ多くの方が避難生活を送る一方、震災を知らない若い世代が増えています。活動を続けながら、震災や復興をどう伝えていけばいいのか、伝える意味は何かを私たちなりに考え続けていきたいと思います。
今年も、3月11日(火曜日)に郡山駅前で灯ろうを展示します。少し立ち止まってあの日を振り返り、今、そして未来を考える日になることを願います。
(内容は「広報こおりやま2025年3月号」掲載当時のもの)
問い合わせ
郡山女子大学短期大学部HP(ホームページはこちら<外部リンク>)
同短期大学部:024-932-4848