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vol.91平山 真吾さん

ジビエ(野生鳥獣の肉)を提供するレストランを営み、自ら野生動物の狩猟や加工にも挑戦する平山真吾(ひらやましんご)さんに思いを伺いました。
自然からお裾分けされた恵みを、最大限おいしく届けたい
自分の手で食材を集め、調理して提供することは、料理人として長年の夢でした。自然と共存する食材ハンターの方と出会い、山の恵みを守りそのおいしさを伝えていこうと意気投合したことを機に、5年ほど前に狩猟免許を取りました。
山には山菜やキノコなどのおいしい食材がありますが、あまり活用されていません。ジビエもその一つです。野生動物は増えると里に下りて、畑を荒らしてしまうことがあります。共存するためには、個体数の調整もやむを得ないことです。福島県は原発事故の影響があり、狩猟した個体の多くは処分されています。命をいただく者の責任として、最大限に有効活用したい。そう思い、今年10月、レストランの隣に県内初のジビエ加工場を開設しました。全頭検査をすることで、新鮮な地元産のジビエを安全に提供できるようになります。
ジビエに苦手意識がある人は多いですが、しっかり肉の管理をするととてもおいしいんです。食べた方は「こんなに食べやすいんだ!」と驚くので、うれしくなります。食べ物があふれている時代ですが、時には自然の恵みを味わってほしいですね。
猟師の高齢化が進み、このままでは山を管理することが難しくなってしまいます。なり手を育てていくためにも、自然の食材のおいしさを伝えて、きちんと収入が得られる仕組みを作っていかなければなりません。自然からお裾分けしてもらった大切な命をお客さんにおいしく届けて、少しでも自然に目を向けてもらうことが僕の使命です。

真剣な表情で食材と向き合います
(広報こおりやま2025年11月号より。内容は当時のもの。)
関連リンク
四季彩 平山(インスタグラム)<外部リンク>































































