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Vol.1 佐久間康浩さん
足で撮ることを意識して、県内外を精力的にめぐり、独特の感性で撮影する写真家の佐久間さん。撮影へのこだわりと、今後の夢を伺いました。
プロフィール
田村町出身。栃山神小・二瀬中・郡山高校・県立総合衛生学院を卒業後、歯科技工士として働く。仕事のかたわら平成23年から撮影を始め、平成25年には海外で個展を開催。同年6月に脱サラし、「会いに来るカメラマン」として県内外の風景や人物などを撮影する。
インタビュー
心の素顔を撮影したい
震災後、自分の子どもに県内の美しい風景を写真として残したいと思い、カメラを購入しました。試行錯誤でカメラに触れ、独学で技術を身に付けながら、仕事の合間に県内を巡り、桜や星空、季節の風景などを撮影しました。
ある時、撮り貯めた写真をSNSで公開したところ、多くの撮影依頼や展示購入の連絡があったんです。作品が評価された驚きと、自分の人生を写真に賭けてみたい気持ちが一気に高まり、脱サラしてカメラマンになりました。
撮影では、事前の打ち合わせを重視しています。依頼があるとすぐに訪問して、撮影目的やイメージを相談します。そして、価値ある1枚を撮るために撮影時期などを調整します。本番では、内面の魅力を引き出すために長期間密着することもあります。カメラを向けると硬い表情になる人が多いのですが、一緒に行動するうちに緊張がほぐれて、ありのままの素顔や豊かな表情を見せてくれるんですよ。
また、プロの写真をより身近に感じてもらおうと、撮影会や写真教室を開いています。多くの方が家族写真を撮ったり、「こんなにきれいに写るんだね」とカメラを好きになる人が増えて、うれしいです。
夢は、働く職人の表情を収めた写真集を作ることです。郡山に住んでいるからこそ見えるものを、SNSや展示会を通して世界に発信したいですね。
Dreamer Photo Library
佐久間さんが撮影した布引風の高原の夜景
打ち合わせで、撮影イメージを練り上げます。
(広報こおりやま2018年4月号より。内容は当時のもの)