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Vol.74 クラブ・よろず湖南
湖南町に伝わる行事や民話などを残すため、エプロンを使った人形劇“エプロンシアター”や紙芝居などを自前で作り、活動を続ける「クラブ・よろず湖南」。代表の齋藤芙美子さんにお話を伺いました。
活動のきっかけは?
湖南公民館の講座で、郡山民話語り部の会の五十嵐敬子先生と出会い、地域に伝わる民話や民俗をエプロンシアターで表現する面白さにひかれました。講座終了後も2年ほど学ぶ中で、習得した技術や湖南の伝承をより多くの人に知ってもらいたい、カタチにして地域に還元したいという思いが芽生え、平成24年に「クラブ・よろず湖南」を結成。紙芝居や昔話なども取り入れ、いろんなメニューで湖南を伝える集まりとして、現在7人で活動しています。
どのような活動ですか?
保育所や公民館、福祉施設などから依頼があると、相手や時期なども頭に入れながら、季節行事にしようか紙芝居を入れようかなどと演目を考え、披露しています。
物語の「舞台」となるエプロンや紙芝居は、すべてメンバーの手作り。一針一針、一枚一枚、思いを込めて全員で制作しています。
湖南町には、地理的、歴史的な背景から、他の地域と異なる行事などが残されています。「花嫁が花婿の家に着くと、花婿の親戚が台所から奥座敷まで背負って歩く」という風習などもありましたが、多くは時と共に風化し、失われてしまいました。紙芝居「湖南の祝言」は、そんな挙式の一日を丁寧に描いたもので、よろず湖南の代表作であり、一番人気のある演目です。
旧藩や地区ごとに伝承が異なることもあるので、紹介する行事や物語の内容は、地域の方へ聞き取ったものを皆で持ち寄り、整理した上で決めています。
エプロンの上で繰り広げられる物語を真剣に聞き入る
子どもたちは季節行事「団子さし」の色鮮やかな飾りに興味津々
活動して良かったことは?
目の前で反応が見られるのは、やはりうれしいですね。高齢の方々は昔を懐かしみ、涙を流し喜んでくれます。子どもたちには新鮮に映るようで、驚きの表情を見せてくれます。
今年はコロナ禍で中止になってしまいましたが、富田地域公民館で年一回、発表会を開催しており、毎年見に来てくれる方々がいるのも励みになっています。
今後は?
話さないと受け継がれない語りも、紙芝居にするとカタチに残すことができます。活動を続ける中で、1つでも多くの作品を完成させ、湖南の魅力を次世代に引き継いでいきたいですね。。
(内容は広報こおりやま2020年11月号掲載当時のもの)
問い合わせ
クラブ・よろず湖南 電話番号:024-983-2742