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Vol.40 長谷川 大輔さん
試作した大桶との思い出を語る長谷川さん
ふくしま木桶プロジェクトのリーダーとして、木桶作りに関わる株式会社BANKSの長谷川さんに、活動のきっかけなどを伺いました。
インタビュー「福島の素材で、福島の人が木桶を作れるように」
地元木材を使った注文住宅の設計・施工の仕事をしていた縁で、親交のある地元酒蔵の蔵元から「"自給自足"にこだわり抜いた酒造りをしたい。うちの山にある木で木桶を作れないか」と相談を受けたのが木桶との出会いでした。
元々森や木が好きで、林業分野での自給自足の暮らしを大切にしたい思いと重なり、一緒に取り組むことにしました。
ところが、木桶職人の多くは既に引退し、木桶仕込みの伝統の味が、消滅してしまう危機的状況。
その状況に立ち向かう「木桶職人復活プロジェクト」の存在を知り、小豆島の醤油蔵に向かいました。
訪れて分かったのは、木桶作りの難しさと魅力。
3,600Lの酒が入った大桶の底面にかかる3.6トンの水圧に耐えられるよう、木材を0.5mm単位に鉋かんなで削る技術が求められます。
また100年使える木桶は、酒造りに使った後、醤油桶に使い、その後に味噌桶にするなど、サスティナブルな面も興味深いと感じました。
木桶を学ぶにつれ、この文化を残していくために、木桶の存在を知ってもらうことが重要だと、「ふくしま木桶プロジェクト」を立ち上げ、情報発信を始めました。
すると、県内の醤油蔵の方や興味を持った方などが徐々に集まり、現在は桶作りに関わる大工さんや桶を竹で締めるタガ職人さんも集まりました。
あの一言から3年。試作品での試行錯誤を経て、今月からきっかけとなった酒蔵の大桶作りを始めます。地元の木材と竹、技術を備えた職人が揃い、福島にある素材で福島の人が作る大桶です。プロジェクトを象徴する大桶にしたいですね。
試作した木桶に水を入れて漏れないかチェック中!
発酵食品が人気の昨今、おうち時間の過ごし方として、自宅で味噌づくりに取り組む人も増えています。
(広報こおりやま2021年8月号より。内容は当時のもの)
関連リンク
- 福島木桶プロジェクトFacebook<外部リンク>
- 福島木桶プロジェクトINSTAGRAM<外部リンク>
- 株式会社BANKS<外部リンク>