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Vol.97 NPO法人 輝く猪苗代湖をつくる県民会議
かつて日本一の評価を受けていた猪苗代湖の水質悪化を防ぐため、前身の団体を含めると平成20年から14年間猪苗代湖の水環境保全に取り組む同団体。
理事長の中村玄正さんに活動について伺いました。
水草を回収後、ボランティアの方々と一緒に(天神浜)これまでに1万8千人以上の方が参加!
活動のきっかけは?
平成14年から4年連続で水質日本一だった猪苗代湖が、平成18年から評価対象外になりました。
私は、上下水道などの水環境工学が専門で、福島県の環境審議員を務めていたので危機感を覚えました。
観光や水道水・農業用水など、県民に広く親しまれる猪苗代湖の水を守りたいと当団体を設立しました。
どのような活動ですか?
水質悪化の原因調査とその改善に取り組んでいます。
水質が悪くなるのは、水深が浅い場所で育つ水草が枯れて腐り、それが水中に溜まることが主な原因です。
毎年秋に枯れた水草が湖岸に漂着するので、腐る前の10 月から2カ月間、天神浜などで国際ロータリー第2530地区やボランティアの皆さんと水草の回収を毎週末に行っています。
また、ドローンを使い、ヒシなど水草の繁茂量の経年変化を調査したり、季節による生育状況の変化を記録したりして、有効な対策への検討材料にしています。
水草を回収しない6月から8月までは、湖南小中学校の子どもたちと一緒に、水が汚れる仕組みを試験的に観察したり、鬼沼の生物や水質を調査したりして、水環境を考える機会づくりにも取り組んでいます。
鬼沼でエビや貝などを見つける湖南小中学校の子どもたち
日大生の協力で、ネットを使い効率よく回収する方法が誕生!
活動のやりがいは?
湖岸で皆さんと一緒に水草を回収し、キレイになった湖を見たときは、疲れも吹き飛びます。
良い汗をかいた達成感や充実感は格別です。
また、先日5年前に一緒に生物調査をした生徒が、「先生、お元気ですか」と声をかけてくれました。
活動を覚えてくれていることがうれしかったですね。
今後は?
ボランティアの方に感謝していますが、限界も感じています。
安定して活動が継続できるよう、国や県、関連市町村で構成する公社の設立を期待したいです。
民・官・学など総合的に力を結集していきたいですね。
(内容は「広報こおりやま2022年10月号」掲載当時のもの)
水草回収のボランティア募集の案内
問い合わせ
NPO法人 輝く猪苗代湖をつくる県民会議<外部リンク>
電話:090-3127-7585(中村)