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劇症型溶血性レンサ球菌感染症
劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは?
溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)には、多くの種類があり、一般的には急性咽頭炎(のどの風邪)などを引き起こす細菌として知られています。
しかし、まれに通常は細菌が存在しない組織(血液、筋肉、脳脊髄液など)に溶血性レンサ球菌(溶連菌)が侵入し、劇症型溶血性レンサ球菌感染症という、急激かつ重篤な症状を示すことがあります。
発生状況
日本の2024年の劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告数は、6月2日時点で、1999年に統計を取り始めて以降最多であった2023年の941名(速報値)を既に超え、977名の報告が上がっています 。このうち30%が死亡しており、きわめて死亡率の高い感染症です。
福島県感染症動向調査<外部リンク>
国立感染症研究所のIdwr速報データ<外部リンク>
症状
基礎疾患を持っていなくても突然発症することがあり、初期症状は、発熱や悪寒などの風邪様の症状、四肢の疼痛や腫脹、創部の発赤などが見られます。
発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には筋肉周辺組織の壊死を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態に陥り、死に至ることも少なくありません。
気を付けるためには
感染経路は明らかになっていない部分が多いですが、飛沫感染や接触感染を防ぐために、手洗いうがいやせきエチケットなど一般的な感染症予防を行いましょう。また、けがをした際には傷口をよく洗い、清潔に保ちましょう。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症に対する特別な予防法はありません。
手足の激しい痛みや発熱や全身倦怠感など体調が悪い時には、速やかにかかりつけの医療機関を受診しましょう。
参考
厚生労働省ウエブサイト<外部リンク>
国立感染症研究所:劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは<外部リンク>