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市長コラム(2024年)

ページID:0097487 更新日:2024年4月23日更新 印刷ページ表示

五月(広報こおりやま2024年5月号掲載)

 ピカピカの一年生を迎えた四月に「挙げる手を やさしく見守る 横断歩道」のスローガンのもと、春の全国交通安全運動が展開されました。本市でも運動の出動式を行いましたが、例年と異なり、ひっ迫する救急医療への対応、医師の働き方改革の観点から「いやしくも飲酒運転や違反運転で事故を起こし、救急車で運ばれることの無いように」とお願いしました。

 本年4月1日からは医師にも時間外労働の上限規制が適用されるため、医師の働き方改革は国民的課題として取り組むべき状況にあります。SDGsの理念である「誰一人取り残されない」都市を目指す本市といたしましては、日夜、エッセンシャルワーカーとして御尽力の医療従事者の皆様には、十分思いを致さなければなりません。特に交通事故は当事者はもとより、警察当局や交通障害による社会、経済、市民生活などへの悪影響は計り知れません。昨年も市内で601件の交通事故が発生していますが、事故にならないヒヤリ・ハット事例はこれ以上に発生していることでしょう。決して小学生が事故に巻き込まれる事があってはなりません。

 一時停止違反や速度超過違反など反則金の納付で済んだケースでも、これら違反により重大な人身事故となった場合は、刑事事件として「過失運転致死傷罪」に、あるいは飲酒運転で人を死傷させた場合は「危険運転致死傷罪」として厳しく罰せられます。市長は郡山市交通対策協議会の会長でもありますので、「見守る」だけのスローガンに加え、ドライバーがハンドルを握る際に自然と唱え、交通安全を自分事として肝に銘ずるような名文句を待つ事、一日千秋の思いでおります。​

四月(広報こおりやま2024年4月号掲載)

「メメントモリ」なるテレビCMを度々見かけますが、元々はラテン語で「人に訪れる死を忘れることなかれ」といった意味の警句だそうです。「死を考えるのは思春期に至った証、成長の証」と往時、中学校の恩師は励ましてくださいました。その少年も今では後期高齢者になり、それ以降は思い起こすことのなかった「メメントモリ」ですが、言われなくても分かっているよと思いつつ、日々の業務は有難いことにそれを棚上げにしてくれます。「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くだよ」と電子決裁にいそしみつつ、新年度を迎えました。

 今年9月1日には郡山市制施行100周年を迎えます。1888年に「市制」が制度化し、36年後の1924年、県下では3番目に本市は市制を施行しました。ちなみに県下最初の市は会津若松市(1899年、当初は若松市)、次いで福島市(1907年)です。今日、郡山市は人口、有権者数、法人数は県内一、一般会計当初予算額は2位(1位はいわき市)です。一番になることを目的にすることはさておき、結果として一番になることは、市民の皆様の御活躍の結果として評価に値すると認識しております。新年度も、それぞれの分野で素晴らしい成果を収められることを御期待申し上げます。

 さて、今年度の市政方針を「課題発見・解決先進都市の創生」としたのは、与えられた課題解決以上に何が課題かを認識することが益々大切になっているからです。ナゼナゼを繰り返して真の課題を発見し、解決する施策を実行することが、次の世代のための「新時代100年創造都市」の実現に必要です。ともに郡山ルネサンスの花を咲かせましょう。

三月(広報こおりやま2024年3月号掲載)

令和六年能登半島地震の被害状況は、日ごとに深刻さが明らかになり、改めて御見舞いと次の支援策を検討する日々です。

 本年一月号のコラムで「三次元思考」を記しました。現在、報道で目にする能登半島の地図は専ら二次元の平面図。しかし、地形・地盤との関係や救援救助のあり方を検討する上では、高低差を加えた標高図が有効と感じております。今回の災害を契機に、地図の認識変容が進むことが望まれます。

 報道についてもう一つ。二月三日付の日本経済新聞の一面に「新駅軸に住宅・産業集積」との見出しで本市が取り上げられました。「今年は春から縁起が良いわい」と独り言。これまで鉄道沿線開発に取り組まれた関係者の皆さまに敬意と感謝の意を表します。また、好評下さった県外の知友に感謝を申し上げます。

 さて、二月三日に「セーフコミュニティ賞・まちづくりハーモニー賞表彰式」を行いました。「神は細部に宿る」を地で行く将来大きく開花するであろう見事なプロジェクトが数多く紹介されました。
また、一月末にはこおりやま広域圏内の高校生による「わかものボーダーレスプロジェクト」、若手市町村職員らによる「新発想研究塾」の各報告会が開催されました。新しい視点からの提案に接し、非常に頼もしく、まさに「楽市・楽座」郡山の面目躍如です。我々中高年も「マゲデランネ」。

 現在、「ウェルビーイング都市」、「課題発見・解決先進都市」を目指し、練り上げた新年度予算(案)が3月定例会で審議中です。市制施行100周年の各種プロジェクトを着実に実行し、次の100年の礎を築く大事な予算となりましょう。諸々の使命を帯びた令和六年度予算(案)にご注目ください。

 

二月(広報こおりやま2024年2月号掲載)

天災は忘れないうちにやって来ました。令和6年能登半島地震の発生直後、義援金募金箱設置(1月4日)、給水車派遣(5 日)、支援物資輸送(6日)を行いました。
従事した職員や関係者の皆様、そしてさまざまなご支援をいただいた市民各位に感謝を申し上げます。「治に居て乱を忘れず」を常に念頭に置きましょう。また、本市の初動捜査ならぬ初動措置(※)に不備なきか、今後十分な検証を行います。

 さて、以下は災害時の「衣食住」を考える中で浮かんだこと。

 まず「衣」。十二単が華やかな大河ドラマが始まりました。野暮な問いでしょうが、千年以上前の時代、あの十数kg に及ぶ衣装の糸の産地は?デザイナーは?縫製はどこで?と、なぜなぜ坊や的な疑問が湧いてきます。

 次に「食」。米は収穫の年を越すと古米扱いとなりますが、以前このコラムで紹介したように、スイスでは「先入先出法」で古い小麦(パン)から食べるそうで、これを美味しく食すために考えられたものがフォンデュなのだそう。米なら炒飯になるでしょうか。調理法を工夫し、古米、古々米も美味しくいただきましょう。

 そして「住」。本年4月から水道整備・管理行政が厚生労働省から国土交通省と環境省の所管になります。気候変動時代には衣食の前に住環境行政を一元化したほうが災害対応を含め効果的とのこと。「福祉は住に始まり住に終わる」とも言いますが、ウェルビーイング(幸せや生きがいを感じる)都市を掲げる本市にとっても好ましい事となりましょう。

 今年も時代のちょっと先を行き、「備えあれば憂い無し」の市政で、「憧れられるまち」を目指しましょう。

※緊急事態などに関する情報を認知してから事態が鎮静化し、本格的な復旧段階に移行するまでの間に行う措置(福島県警察本部訓令)

一月(広報こおりやま2024年1月号掲載)

新年おめでとうございます。毎年二度、新年の御挨拶の欄を賜り恐縮に存じます。年齢によっては「めでたくもあり、めでたくもなし」(一休禅師様のことば)ですが、人生百年時代、「今ここ」を見つめる「マインドフルネス」のもと、絶えず自問自答し、昨年に続き「なぜなぜ坊や」を続けます。

 平面の日本地図を見ますと、四島(北海道、本州、四国、九州)中、北海道の納沙布岬が最東端なので、最も早く初日の出を見ることができそうです。しかし実際には、千葉県の犬吠埼が日の出時刻6時46分と平地で最も早い地点(国立天文台ウェブサイトから)。日本列島が地「球」上の列島だからなのです。平面図ではなく、立体図で考えなければならない一例と「ナットク」。

 四島で最も日の出が遅いのは福岡県、長崎県の7時23分です。つまり日本列島はこの時期、東西時差37分、ほぼ同時刻の時差なき国家。平面図だけではなく、三次元情報を加えて考えるべし、という新知見のお年玉に恵まれました。また、四季によっても時差が変わるので、「時間軸」という四次元情報も重要です。

 しかし、現実は二次元思考に満ちています。例えば都市計画法、建築基準法はその典型例。日本列島は平面で、気候も生活様式も全国同じ前提で制定されたと思わざるを得ません。技術革新や国際情勢などの変動により改正はありますが、「原曲に手を加えた編曲の如し」です。また、時間距離は短縮の一途ですが、それだけでは平面地図的発想で、トランスフォーメーション(変革、変身、変化)不足です。皆様にそもそも足を運ぶ必要がないシステムに、市役所も「ヘンシーン」を目指します。