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Vol.14 地域の魅力を知り、人とつながる。  Switchが手がける地域のコミュニティづくり

ページID:0195631 更新日:2026年10月17日更新 印刷ページ表示

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一般社団法人 Swich コミュニティーマネージャー 積田 正恵 さん 

 

田村市で地域資源を活かしたまちづくりに取り組む一般社団法人Switch。旧田村市立石森小学校の校舎を活用したテレワークセンター兼シェアオフィス「テラス石森」の運営をはじめ、地域おこし協力隊の活動支援や空き家事業、民泊、人材育成、イベントの企画・運営など、多様な事業を展開しています。

Switchでは令和4年から令和5年にかけ、田村市の豊かな自然や文化に触れる親子参加型の自然体験イベント『もりのび』を開催。この取り組みで令和5年度の第5回こおりやまSDGsアワードを受賞しました。その後もさまざまな事業を展開しており、地域に新たな活気を生み出しています。

Switchのスタッフでテラス石森のコミュニティーマネージャー 積田正恵さんに、テラス石森を拠点とした地域の人々のつながりづくりについて話していただきました。

 


子どもたちに地域の自然や文化を伝える『もりのび』

▶関連するSDGs のゴール…11 住み続けられるまちづくりを/15 陸の豊かさも守ろう​

2011年の東日本大震災にともない発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、福島県では子どもの外遊びが制限された時期がありました。また、近年はスマートフォンが子どもにとっても非常に身近な存在となり、子ども達が自然のなかで遊ぶ機会は減る傾向にあります。

『もりのび』は、自然が近くにあるのに遠い存在になってしまっている今の時代の子どもたちに、「もっと地域の自然に触れてもらいたい」との想いから始まりました。

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『もりのび』でSwitchが大切にしたのは、単に自然に親しむことだけでなく、子どもたちが自分の暮らす地域を知るきっかけをつくることだったと積田さんは言います。

「田舎だから何もない、つまらないと思うのではなく、自分が生まれた場所ってこんなに面白いんだと子どもたちに知ってほしい。そのために、子どもの自主性を大切にしつつ、学校や塾では教えてくれないことを親や地域の方と一緒に楽しめることを大きなコンセプトとしていました」

また、イベント開催の背景には、進学・就職をきっかけに地域の若者が流出してしまうことの危機感もありました。

「子どもがいなくなると、この地域の暮らしの持続可能性が損なわれてしまいます。子どもたちに地域への愛着や興味、関心を持ってもらうことで、この地域で生きていくことを人生の選択肢の一つにしてほしいという願いもありました」

 


子どものいきいきとした表情で気づいた、ふるさとの良さ​

▶関連するSDGs のゴール…3 すべての人に健康と福祉を/11 住み続けられるまちづくりを

そう語る積田さんも、10代の頃は都会に憧れ、生まれ育った小野町から関東の学校へ進学した一人でした。かつて積田さんが地元に対して持っていた印象は、「何もないところ」。卒業後はそのまま東京で就職し、結婚後も都内で子育てに励んでいました。​

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そんななか、2022年にご主人の転勤が決まります。異動先はなんと、積田さんの地元。2人のお子さんも一緒に、計らずも約18年ぶりのUターンが決まりました。

 

身近な場所で何でも揃う東京で生まれ育った子どもが田舎の環境になじめるのか。それが積田さんの一番の心配だったと言いますが、お子さんたちはすぐに地域での暮らしに溶け込んだそうです。

「私は素晴らしい場所で生まれ育ったんだと、子どものいきいきとした表情から気づかされました。周りの方々も、まるで自分の家族のように子どもたちと接してくれます。地域の皆さんと一緒に子育てをするこの感覚は都会では味わったことがなく、田舎ならではの良さだと感じています」
そんな積田さんが、ご自身の経験を活かして仲間と立ち上げたイベントがあります。2025年11月からテラス石森で開催されている『親にも子にもだいじなじかん』です。

きっかけは、田村市でダンス教室「AK Dance」を運営するAyaKaさん、三春町出身で田村市にUターン移住したイラストレーターのはしもとあやさん、そして積田さんの3人の何気ない会話からでした。

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​『親にも子にもだいじなじかん』の主催者の一人、はしもとあやさん(右)と

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「お互いの近況を、最近こうなんです、うちはこうですって話しているうちに、こういう話が気軽にできる人や時間の大切さに気づいたんです。私自身、Uターン当初は気軽に話せる相手がなかなか見つからず、ストレスを溜め込んでしまっていましたが、2人と話す時間ができてからは気持ちがとても楽になりました。もし、地域で不安を抱えているママやパパが他にもいるなら、その不安を理解し合い、お互いに元気になりたい。そんな気持ちをイベントとして形にできないかと考えました」

イベントでは、AyaKaさんの指導のもと、子どもが楽しく体を動かせるプログラムなどが用意されます。そのなかで積田さん達が意識しているのは、決して子ども向けの内容に振り切るのではなく、ママやパパも主体的に参加できるイベントにすること。親が元気じゃなければ子育てはできない。イベント名にもそんな気持ちを込めたと語ります。

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2026年9月に4回目が開催された『親にも子にもだいじなじかん』。回を重ねるなかで、誰に遠慮することもなく子育ての悩みを話せる場に育ってきていると積田さんは感じています。開催後にイベントを知った方から「私も行きたかった」という声が寄せられることもあるのだとか。今後は、より必要な人に届くように、イベント告知に力を入れていきたいと話してくれました。

 


「やってみたい」を形にできる場所を地域に提供し続けたい

▶関連するSDGs のゴール…8 働きがいも経済成長も/17 パートナーシップで目標を達成しよう

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テラス石森(旧田村市立石森小学校の校舎を活用したテレワークセンター兼シェアオフィス)

 

テラス石森では、地域の方々などが気軽に参加できるイベントが定期的に開催されています。

毎月第1金曜の夜に開催する『もちより』は、参加者が食べ物などを一品持ち寄るアットホームな交流会。申し込み不要、途中参加・退出を可能とするなど、参加のハードルを下げる工夫がされています。

第2水曜には、入居企業の皆さんや施設利用者、地域の方が一緒にランチを楽しみながら交流する『ランチ会』を開催し、会社同士、働くもの同士が新たな関係を気軽に構築しています。

「楽しかったのでまた参加したい」や「実際の取引につながった」など、参加者の声が自身のやりがいにもつながっているそうです。

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​『もちより』の1周年企画『もちよりDX(デラックス)』の様子

 

こうした定期イベントのほか、新しくイベントを立ち上げたい人の受け皿としてもテラス石森は地域に開かれています。

「子どもの居場所をつくりたい、リトミックをやってみたいなど、これまでさまざまな相談がありました。アイディアはあるけれど企画や集客の経験はない、という方からの相談であれば、どうすれば実現できるかを一緒に考えながら形にしていくこともあります。この場所が、誰かの“やってみたい”が叶う場所になったらいいなと思っています」

 

地域の自然や文化に触れる。子育ての悩みを話す。自分の「やってみたい」を形にする――。そうした活動によって人と人とをつなげ、地域の課題を解決し、新しい活気を生み出す。

テラス石森を拠点としたSwitchの活動は、いま着実に地域に新しい豊かさを生み出し始めています。

 


■一般社団法人Switch
受賞年度︓令和5年度(第5 回)
活動内容︓地域を担う人材の育成を目的とした自然体験イベントの実施、自然体験を実施する緑地を地域の子どもや大人とともに整備、
放置竹林の整備活動や、切り出した竹をイベントの資源として有効活⽤

第5回こおりやまSDGs アワードについてはこちら

▶印刷用PDFデータ Vol.14 一般社団法人Switch [PDFファイル/1.15MB]

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