本文
土地に対する課税
評価のしくみ
固定資産評価基準に基づき、地目別に定められた評価方法により評価します。
地目
地目は、宅地、田及び畑(併せて農地といいます。)、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野並びに雑種地をいいます。固定資産税の評価上の地目は、土地登記簿上の地目にかかわりなく、その年の賦課期日(1月1日)の現況の地目によって認定します。
地積
地積は、原則として土地登記簿に登記されている地積によって、また登記されていない土地については、現況の地積によって認定します。
地目別の評価方法
宅地の評価方法
宅地の評価方法は、「市街地宅地評価法(路線価方式)」又は「その他の宅地評価法(標準宅地比準方式)」の二つの方法が定められています。
市街地宅地評価法(路線価方式)
「市街地宅地評価法」は、主として市街地的な形態を形成している地域に適用する評価法です。
「市街地宅地評価法」とは、街区ごとに、当該街路に沿接する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格を表す「路線価」を付設し、この路線価に基づいて所定の「画地計算法」を適用して各筆の評点数を付設するというものです。
- 用途地区の区分:まず、宅地の利用状況に基づいて、「用途地区」を区分します。
- 状況類似地域の区分:各用途地区について、その状況がおおむね類似する地域ごとに細区分をします。この細区分された地域を「状況類似地域」といいます。
- 主要な街路の選定:状況類似地域ごとに、それぞれの地域につき、1ヶ所「主要な街路」を選定します。
- 標準宅地の選定:主要な街路に沿接する宅地のうちから、「標準宅地」を選定します。
- 標準宅地の適正な時価の評定:選定された標準宅地について、地価公示価格、都道府県地価調査価格及び、不動産鑑定士等による鑑定評価価格の7割を目途として「標準宅地の適正な時価」を評定します。
- 主要な街路の路線価の付設:主要な街路に沿接する標準宅地の単位当たりの適正な時価に基づいて、「主要な街路の路線価」を付設します。
- その他の街路の路線価の付設:主要な街路の路線価を基礎として、主要な街路との状況の差を比較考慮して「その他の街路の路線価」を付設します。
その他の宅地評価法(標準宅地比準方式)
「その他の宅地評価法(標準宅地比準方式)」は、通常、家屋の連たん度が低く「市街地宅地評価法(路線価方式)」を適用する必要が認められない地域について適用する評価法です。
「その他の宅地評価法(標準宅地比準方式)」とは、状況類似地区ごとに標準宅地を選定し、この標準宅地の適正な時価から求めた評点数に比準して状況類似地区内の各筆の宅地の評点数を付設するものです。
- 状況類似地区の区分:市町村内の宅地をおおむねその状況が類似していると認められる地区ごとに区分します。
- 標準宅地の選定:状況類似地区ごとに道路に沿接する宅地のうち、奥行、間口、形状等からみて標準的な宅地を選定します。
- 標準宅地の評点数の付設:選定した標準宅地についての地価公示価格、都道府県地価調査価格及び、不動産鑑定士等の鑑定評価価格の7割を目途に適正な時価を評定し、標準宅地の評点数を付設します。
- 各筆の評点数の付設:各筆の評点数は、標準宅地の1平方メートル当たりの評点数に、固定資産評価基準に定める「宅地の比準表」により求めた各筆の宅地の比準割合を乗じ、これに各筆の地積を乗じて付設します。
農地(田及び畑)、山林の評価方法
状況の類似する地区ごとに、標準的な田、畑、山林を選定し、その適正な時価(その算定の基礎となる売買実例価額に宅地見込地としての要素等があればそれに相当する価額を控除した価格)に比準して各筆を評価します。ただし、市街化区域農地や宅地等への転用許可を受けた農地等については、状況が類似する宅地等の評価額を基準として求めた価額から造成費を控除した価額によって評価します。
牧場、原野、雑種地等の評価方法
売買実例価額や付近の土地の評価額に基づく方法等により評価します。
住宅用地に対する課税標準額の特例措置
住宅用地は、その税負担を特に軽減する必要があることから、その面積の広さによって、小規模住宅用地と一般住宅用地に分けて特例措置が適用されます。
小規模住宅用地
200平方メートル以下の住宅用地(200平方メートルを超える場合は住宅一戸当たり200平方メートルまでの部分)を小規模住宅用地といいます。
小規模住宅用地の課税標準額については、価格の6分の1の額とする特例措置があります。
一般住宅用地
小規模住宅用地以外の住宅用地を一般住宅用地といいます。たとえば、300平方メートルの住宅用地(一戸建住宅の敷地)であれば、200平方メートル分が小規模住宅用地で、残りの100平方メートル分が一般住宅用地となります。
一般住宅用地の課税標準額については、価格の3分の1の額とする特例措置があります。
住宅用地の範囲
住宅用地には、次の二つがあります。
- 専用住宅(専ら人の居住の用に供する家屋)の敷地の用に供されている土地…その土地の全部(ただし家屋の床面積の10倍まで)
- 併用住宅(一部を人の居住の用に供する家屋)の敷地の用に供されている土地…その土地の面積(ただし家屋の居住床面積の10倍まで)に一定の率(次の「住宅用地として認定される範囲」を参照。)を乗じて得た面積に相当する土地
住宅の敷地の用に供されている土地とは、その住宅を維持し、又はその効用を果たすために使用されている一画地をいいます。したがって、賦課期日(1月1日)において新たに住宅の建設が予定されている土地あるいは住宅が建設されつつある土地は、住宅の敷地とはなりません。ただし、既存の当該家屋に代えてこれらの家屋が建築中であり、一定の要件を満たすと認められる土地については、住宅用地として取り扱うこととなります。
また、住宅が災害により滅失した場合においても他の建物、構築物の用に供されていない土地は、2年間(長期にわたる避難の指示等が行われた場合には、避難等解除後3年間)に限り、所有者の申請に基づき住宅用地として取り扱うこととなります。
特例措置の対象となる「住宅用地」の面積は、家屋の敷地の用に供されている土地の面積に次表の住宅用地の率を乗じて求めます。
家屋 | 居住部分の割合 | 住宅用地の率 | |
---|---|---|---|
イ | 専用住宅 | 全部 | 1.0 |
ロ | ハ以外の併用住宅 | 4分の1以上2分の1未満 | 0.5 |
ロ | ハ以外の併用住宅 | 2分の1以上 | 1.0 |
ハ | 地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 | 4分の1以上2分の1未満 | 0.5 |
ハ | 地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 | 2分の1以上4分の3未満 | 0.75 |
ハ | 地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 | 4分の3以上 | 1.0 |
宅地の税負担の調整措置
平成9年度の評価替え以降、課税の公平の観点から、地域や土地によりばらつきのある負担水準を均衡化させることを重視した税負担の調整措置が講じられ、宅地について負担水準の高い土地は税負担を引き下げ又は据え置き、負担水準の低い土地はなだらかに税負担を上昇させることによって負担水準のばらつきの幅を狭めていく仕組みが導入されました。
これまで、負担水準の均衡化・適正化に取り組んできた結果、負担水準の均衡化は相当程度進展してきている状況にあります。
「負担水準」とは:個々の土地の前年度課税標準額が今年度の評価額に対してどの程度まで達しているかを示すもの。
次の算式によって求められます。
負担水準=前年度課税標準額/今年度の評価額(×住宅用地特例率(3分の1又は6分の1))
商業地等の宅地(非住宅用地)の場合
- 原則は次のとおり算出されます。
今年度の課税標準額=今年度の評価額×70% - 今年度の評価額(以下「A」という。)の70%と比べて前年度の課税標準額が以下の場合については、今年度の課税標準額は次のとおりとなります。
- 前年度の課税標準額がAの60%以上70%以下の場合:前年度の課税標準額と同額に据え置き
- 前年度の課税標準額がAの60%未満の場合:前年度の課税標準額+A×5%(ただし、計算した課税標準額がAの60%を上回る場合にはAの60%とし、計算した課税標準額がAの20%を下回る場合にはAの20%とします。)
- 前年度課税標準額がAの70%を超える場合:Aの70%
住宅用地の場合
- 原則は次のとおり算出されます。
今年度の課税標準額=今年度の評価額×住宅用地特例率(3分の1又は6分の1) - 前年度の課税標準額が上記1で求めた本来の課税標準額(以下「B」という。)を下回る場合については、今年度の課税標準額は次のとおりとなります。
前年度の課税標準額+B×5%
(ただし、計算した課税標準額がBを上回る場合にはBとし、計算した課税標準額がBの20%を下回る場合にはBの20%とします。)
固定資産税額
固定資産税額は、次のように算出されます。
固定資産税額=課税標準額×税率(1.4%)
農地(田又は畑)の税負担の調整措置
農地は田と畑の総称ですが、固定資産税の評価上では大きく4つに分類されます。
- 一般農地
- 市街化区域農地
- 宅地等介在農地
- 勧告遊休農地
一般農地
一般農地は、市街化区域農地や転用許可を受けた宅地等介在農地などを除いたものです。一般農地についても、負担水準の区分(次の表のとおり)に応じたなだらかな税負担の調整措置が導入されています。
負担水準 | 負担調整率 |
---|---|
90%以上 | 1.025 |
80%以上90%未満 | 1.05 |
70%以上80%未満 | 1.075 |
70%未満 | 1.10 |
市街化区域農地
市街化区域農地は、市街化区域内の農地で、生産緑地地区等の指定を受けたものなどを除いたものです。したがって、市街化区域内にある農地であっても、生産緑地地区等の指定を受けた農地であれば、一般農地と同様の評価・課税となります。
市街化区域農地は、宅地としての潜在的価値を有していると考えられることから、一般農地と評価方法は異なりますが、課税については、原則として、評価額に3分の1を乗じた額が課税標準額の上限となり、税負担の調整措置については一般農地と同様の負担調整措置が適用されます。
宅地等介在農地
宅地等介在農地(転用許可を受けた農地等)は、外見上、農地であっても実質的には宅地としての潜在的価値を有していると考えられることから、一般農地とは異なる評価を行います。具体的には、宅地等の価額から土盛り整地等の造成費相当額を控除して評価をし、税負担の調整措置については商業地等の宅地と同様の負担調整措置が適用されます。
勧告遊休農地
農地中間管理機構の農地中間管理権取得に関する協議の勧告を受けた遊休農地については、税負担の調整措置は行いません。そのため、当該年度分価格がそのまま当該年度分課税標準額になります。
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平成31年度の固定資産(土地)は次のようになります。[PDFファイル/255KB]