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法律違反による自転車事故には損害賠償責任を問われることがあります

ページID:0001747 更新日:2023年8月8日更新 印刷ページ表示

もし、法律違反をして自転車事故を起こしたら

道路交通法上、自転車は車両の一種(軽車両)であり、法律違反をして事故を起こすと、自転車利用者は刑事上の責任が問われ、相手に怪我を負わせた場合には、民事上の損害賠償責任も発生することがあります。

刑事上の責任

逮捕のイメージ

事故により相手に怪我を負わせると、過失傷害の罪(刑法第209条)などに該当することがあります。例えば、相手を死傷させた場合には、重過失致死罪となります。

民事上の責任

高額賠償のイメージ

事故の相手に対する損害賠償責任を負います。保険未加入の場合、支払いが困難になることが予想されます。

その他、事故の相手方を見舞い、誠実に謝罪する責任があります。

自転車での加害事故の例

未成年者であっても、数千万円もの賠償金を支払わなければならない場合があります。

その1:無理な運転で交差点に進入し、自転車と衝突。損害賠償3,138万円

男子高校生が朝、自転車で歩道から交差点に無理に進入し、女性の保険勧誘員(60歳)が運転する自転車と衝突。保険勧誘員は頭蓋骨骨折を負い、9日後に死亡した。

安全確認の注意義務を怠ったとして、男子高校生に3,138万円の損害賠償額の支払いが命じられた。

(判例:さいたま地方裁判所 平成14年2月15日判決)

その2:夜間無灯火で走行し、歩行者と衝突。損害賠償3,124万円

男子中学生が夜間、無灯火の自転車を走行中、対面歩行の女性(75歳)が電柱を避けて車道に出た際に衝突。女性は頭部外傷により後遺障がい2級の障がいを負った。

無灯火で走行していた自転車側に過失があるとして、男子中学生に3,124万円の損害賠償額の支払いが命じられた。

(判例:名古屋地方裁判所 平成14年9月27日判決)

その3:無灯火で携帯電話を使用しながら走行し、歩行者に衝突。損害賠償約5,000万円

女子高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で走行中に、前方の看護師の女性に気付かないまま衝突、転倒させた。女性は歩行困難となる後遺障がいを負い、職も失った。

自転車側が携帯電話に気を取られ、前方に注意を欠いたまま自転車で走行していたことと、転倒と後遺障がいとの因果関係を認め、女子高校生に約5,000万円の損害賠償額の支払いが命じられた。

(判例:横浜地方裁判所 平成17年12月23日判決)

自転車側に法律違反があると、四輪車との事故時に賠償額が減額(過失相殺)されることがあります。

その1:交差点を一時停止せず進行し、乗用車と衝突。過失相殺55%

交差点を左折中の貨物自動車の陰から、一時停止を守らずに交差点に進入した自転車が、交差道路を左から走ってきた乗用車と衝突。

自転車の進路には一時停止の標識があったことや、乗用車は優先道路を走行していたため、左折中の貨物自動車の陰から交差点に進入してくる自転車の発見は困難であることから、自転車側の過失相殺は55パーセントとされた。

(判例:横浜地方裁判所判決 平成11年9月24日)

その2:左右の安全確認をせず飛び出し、乗用車と衝突。過失相殺60%

広い道路と団地内道路との交差点を直進(横断)しようとした自転車と普通乗用車が出会い頭に衝突。団地出入り口交差点から約10メートル先には横断歩道があった。

団地内道路から広い道に出る際、交差点付近に駐車車両があって見通しが悪かったため、自転車は一時停止して左右の確認をすべきであったが、これを怠り飛び出したとして過失相殺は60パーセントとされた。

(判例:名古屋地方裁判所 平成13年4月20日)

万が一の事故に備えて

TS(Traffic Safety)マーク付帯保険

TSマークとは、年に1回、自動車安全整備店で点検・整備を受けるとそのしるしとして自転車に貼付されるシールのことです。TSマークは、その自転車が点検・整備を受けた「安全な普通自転車」のしるしとなります。

また、TSマークには、人に怪我をさせた場合の「賠償責任保険」と自分自身が自転車事故で怪我をした場合の「傷害保険」が付帯されています。

自転車安全整備店の看板の画像
自転車安全整備店の看板

TSマークに付帯されている保険の有効期限は、点検・整備を受けた日から1年間で、期限が来た場合は、再度点検・整備を受ければ更新が可能です。

TSマーク付帯保険は自転車の所有者ではなく、マークが貼付された自転車に対して保険が付帯されるので、自転車の所有者に限らず、自転車を借りた家族、友人、自転車を譲り受けた人でも保険の対象となります。

また、緑色TSマークでは、全ての人身事故が賠償責任補償の支払対象となりました。

車に撥ねられたり歩行者に衝突したり、自転車は被害者にも加害者にもなりかねません。万が一の場合に備えて、年1回、自転車の点検・整備を受けて「TSマーク」を自転車に貼りましょう。

TSマークの種類と補償内容について
種類 傷害補償 賠償責任補償 被害者見舞金 有効期限
第一種TSマーク(青マーク)
第一種TSマーク
(青マーク)
  • 死亡・重度後遺障害(1級から4級)
    一律30万円
  • 入院15日以上
    一律1万円
死亡・重度後遺障害
(1級から7級)
限度額1,000万円
1年間
第二種TSマーク(赤マーク)
第二種TSマーク
(赤マーク)
  • 死亡・重度後遺障害(1級から4級)
    一律100万円
  • 入院15日以上
    一律10万円
死亡・重度後遺障害
(1級から7級)
限度額1億円
入院15日以上
一律10万円
1年間

第三種TSマーク(緑マーク)
第三種TSマーク
(緑マーク)

  • 死亡・重度後遺障害(1級から4級)
    一律50万円
  • 入院15日以上
    一律5万円

死亡・傷害
(示談交渉サービス付き)
限度額1億円

賠償責任補償
により対応

1年間

※TSマークについて詳しくは、TSマークとは(公益財団法人日本交通管理技術協会HP)<外部リンク>を御覧ください。

この他に、各種損害保険会社による自転車での転倒など思わぬ事故による自分の怪我に備えるための「傷害保険」や、自転車事故での損害賠償に備えるための「個人賠償責任保険」等があります。

個人賠償責任保険は、他人に怪我をさせたり、他人の物等を壊したりするなど、法律上の賠償責任が発生した場合に支払われる保険のことです。

みんなで自転車の交通ルールやマナーをしっかり確認し、交通事故をなくしましょう。

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よくある質問