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下水をきれいにしてくれる微生物。しかし、微生物については、ほとんど知られていないのではないでしょうか。
このページでは、下水処理になくてはならない存在でありながら、なかなか日の目を見る機会がなかった微生物にスポットを当ててみましょう。
肉眼では見ることができず顕微鏡などによって観察できる小さな生物のことで、細菌やウィルス、カビも微生物に含まれます。
下水中の有機物(汚れ)を食べることによって下水をきれいにしてくれます。
土の中にすんでいるものや空気中をただよっているものがいて、雨などで流されることによって下水道に入ります。
微生物の多くは細胞分裂によって体が二つに分かれて増えていきます。
主に次の3種類に分けることができます。
単細胞(体が一つの細胞でできている)の微生物で、下水中の有機物を取り除いてくれる下水処理の主役です。顕微鏡で1,000倍ぐらいに拡大すると見ることができます。
単細胞の微生物で、ふわふわとただよっている細菌類を食べて澄んだ水にしてくれます。顕微鏡で100倍ぐらいに拡大すると見ることができ、代表的な原生動物として、ボルティセラ、カルケシウム、エピスティリス、アスピディスカ、アルセラなどがあげられます。
ボルティセラ
カルケシウム
エピスティリス
アスピディスカ
アルセラ
多細胞(体がたくさんの細胞からできている)の微生物で、細菌類や原生動物を食べて澄んだ水にしてくれます。
顕微鏡で100倍ぐらいに拡大すると見ることができ、代表的な後生動物として、レパデラ、ロタリアなどがあげられます。
レパデラ
ロタリア
きれいな川にすむ魚と汚い川にすむ魚の種類が違うように、処理状況が良いときと悪いときとでは、観察できる微生物が異なります。ちなみに、良いときは、ボルティセラやアスピディスカといった原生動物がたくさんみられますが、悪いときは、細菌類が多くみられるようになります。